ザ・カーサ長興寺北2丁目の現地は、
ご覧のように非常に険しい傾斜地で
高低差は実に約6mである。
さらに敷地も変形地であり前面道路も狭い上に
南面が高くなっているという状態である。
「こんなところに3階建てが建てられるのか?」
疑惑が渦巻く中、
頼みの綱は建築士の腕に掛かっている。
しかし頼みの綱である建築士曰わく
「現実的に難しい…」
様々な要因により建築が難しい敷地…
そこで建築士が描いたプランは
「傾斜を最大限に活かした“2層構造の邸”」
地上2階、地下1階の2層として
建物を階段状に配置するプランである。
建築士の創意工夫により
素晴らしいプランが上がった。
「さすが腕利きの先生はやるなー!!」
チームが湧き上がる。
しかし一筋縄では行かないのであった。
用途地域は「第1種中高層住居専用地域」に位置するが
豊中市では第2種高度地区、北側斜線制限などの条件により
建物の高さが10m以内と制限されているのだ。
難解な敷地形状と難解な建物構造により
もともと構造計算も大変複雑なものになっている。
その上10mという高さ制限まで考慮するはめに…
その難解さ故に、検査機関の構造担当者も
より厳しい上席が担当者となり指摘事項が増加。
建築確認申請はプランの作り直しと
構造計算のやり直しを幾度も余儀なくされ
建築許可が下りるまで困難を極めることとなった。
ザ・カーサ長興寺北2丁目の現場では
西側と南側の隣家が当敷地よりも高い場所に建っており
隣家の塀がどこまで埋まっているか目視では分からない。
それ故、掘り進める工事では塀を崩さないように
慎重かつ注意が必要だ。
また傾斜地のため基礎を二層、三層と
階段状に造らなければならない。
前面道路が狭い上に基礎も階段状のため
工事用車両の搬入が困難な上に車両サイズも限られてしまい
思うように工事を進めることができないのである。