堤防に架からない橋を作れ。〜地上10mの天空ガレージ〜 theCASA茨木市五十鈴町 堤防に架からない橋を作れ。〜地上10mの天空ガレージ〜 theCASA茨木市五十鈴町

車が入れない道路!でもガレージを作れ!? POINT どうやって作るの? 車が入れない道路!でもガレージを作れ!? POINT どうやって作るの?

ザ・カーサ五十鈴町の現地は、
東は車が通れない道路、西は堤防に隣接という立地。
普通に考えればガレージは作れない。
いや、作っても停めれなければ意味がないだろう。
昨今、ガレージがない家は売れないと言っても過言ではない。
だからこそチームCASAは諦めない。

「それなら、空中に作ればええんとちゃう!?」

チームの中から仰天の案が発せられる。
でも、そんなのどうすればいいのか?
この時はまだ、机上の空論に過ぎなかった。

堤防側へ作ろう!地上10mのガレージ!! POINT 本当にできるの? 堤防側へ作ろう!地上10mのガレージ!! POINT 本当にできるの?

「まず空中ってどこ?」

考えはこうだ。
建物を三階建てにして三階に玄関を施し、堤防と玄関を結ぶ方法だ。
そしてスロープとなる橋を架けて、その上をガレージに使う。
これで地上10mのガレージの完成である。
イメージはできた。しかし現実的に可能なのか?

当然「建築」を行うときに守らなければならない法律(法令)が
非常に多く存在するが、今回一番の難題となったのは
堤防と河川に隣接しているため「河川法」である。
その法律により堤防に橋を架けることは許されないのである。

堤防に架けちゃダメ!?河川法を攻略せよ! POINT 知識が必要だ!! 堤防に架けちゃダメ!?河川法を攻略せよ! POINT 知識が必要だ!!

堤防に架けることができないのは
堤体に負荷が掛かることで決壊する恐れがあるからだ。
河川管理者との協議の結果、堤体に架けなければ
堤防から進入するのは構わないと言う返答を得た。
その結果、堤体のある上部はガレージとしての使用は不可。
あくまでスロープとして利用、さらに堤防に掛からないように
隙間を設けることでクリアした。

さらに工事する上で堤防上を走る道路は
市道と府道が混在していたため
茨木市と大阪府、どちらの許可も必要であった。

河川保全区域に気をつけろ!杭基礎工事の難題!! POINT 細心の注意を払え! 河川保全区域に気をつけろ!杭基礎工事の難題!! POINT 細心の注意を払え!

河川保全区域において、工作物を設置したり、
土地の掘削、水を浸透させる等を行うと、
堤防や護岸が崩れたり、壊れる原因となる可能性があるため
事前に河川管理者の許可が必要となる。

当然、ガレージとしての機能を保つため
車の荷重を考慮した強度のある構造物にしなければならないが、
河川保全区域のため構造物の杭基礎工事の施工方法についても
河川管理者と協議を重ねる必要があった。

数々の問題をクリアして工事に入るわけだが
難しい工事なので細心の注意が必要である。

計画段階の杭基礎イメージ図 赤枠部分のように連続壁などの工作物構造は不可