赤は赤を見たものしか赤とわからない
授業で絵を描けば賞を取るような子どもだった。あまり外で動き回るより室内でものづくりをするのを好む性格で、描けば描くほどに上達することも楽しく、気づけば一日が過ぎていることも多々で。高校生になっても幼少からの嗜好は変わらず、それならと美大に進学をきめた。(興味のない学業よりは断然楽しいだろう!という気持ちも・・・)
大学生時代は様々なコンペや制作に積極的にかかわり、なかでも大阪環状線やサントリーミュージアムに展示された作品は制作過程においても今でも心に残る高揚感があった。しかし、この時点ではデザイナーになるとは思ってもおらず、デザイナーという職業に興味が湧いたのは、恩師が連れて行ってくれた有名デザイナーの講演会からだった。あくまでアーティストでありながらも論理的で商業的。芸術は楽しいものだが仕事にできるのか?それまで曖昧なものだと思っていた自分には衝撃だった。その後も国内・海外、様々なデザイナーの言動に触れ、憧れ、研究した。共通していることは「実際に見て感じたものしか表現には反映できない」ということ。
社会人になった今も、暇があれば学び、感じ、表現することを自身に課し、個展やグループ展にも積極的に取り組む姿勢は継続している。
デザイナー職に就き、もうすぐ10年になる。あの頃憧れたデザイナーに、少しは近づけているのだろうか。